地産地消のフレンチレストラン「Restaurant Loup」

カジュアルにフランス料理を楽しんでほしいとのシェフの思いで2018年にオープンしたLoup（ルゥ）。
地元の人でも迷うことがある立地から隠れ家的フレンチレストランとしても有名だ。
ランチ、ディナーともに完全予約制で1回転。時間を気にせずゆっくり本格的なフレンチを楽しめると大人気

店に入ってまず驚くのは、庭に向かって全面ガラス張りになっていること。
テーブル数は4卓とそれほど広くはないが、窓からは徳島の山々と空が見渡せ解放感を感じる。緑を見ながら料理を楽しんでほしいと造られたフランスの田舎をイメージした庭は、季節ごとの花を愛でることができる。

フランスでは野生のハリネズミやリスが見られることから動物のオブジェも置かれている。それにつられ、野鳥やイタチ、タヌキなど実際に動物達が庭に遊びにくることもあるという。

また、庭では無農薬でハーブも多数育てていて、徳島ではここでしか味わえないフレッシュハーブティーをコース料理の最後に提供している。
ハーブセラピストの資格も持つシェフは「庭に出て、ぜひ新鮮なハーブの香りに触れてほしい。」と話す。

Loupでは、シェフの地元である加茂谷を中心に阿南、徳島の食材にこだわっている。
採れたての新鮮なものを食べてもらいたいと、野菜や果物はその日畑で収穫したものを料理に使っている。

また、魚は椿泊漁港や中林漁港などで水揚げされたもの、牛肉は加茂谷の牧場から仕入れ、徳島のブランド鶏である阿波尾鶏も使用。
季節ごとにメニューが変わり、その時々の旬の食材を堪能することができる。体にいいものを届けたいという強い思いが伝わってくる。

地元が好きだと笑顔で話すシェフだが、若い頃は田舎が嫌で県外へ出た。
その後、斬新な盛付のフランス料理に興味を持ち、東京やフランスで修行を積む。フランスでの修行時代、田舎のレストランの雰囲気の良さを実感した。

漠然と都会で店を持ちたいと考えていたが、「料理人は自分の生まれ育ったところの食材で料理をした方がいい。」とオーナーシェフに言われたことが忘れられず、阿南で店を開こうと決意。
「子供の頃は当たり前だと思っていたものが実は貴重なものだということに気付き、今はそれをより多くの人に知ってもらうために料理している。」と語る。

地元の美味しいものをさらに広めていきたいと、今後はシカやイノシシなどの地元のジビエ料理も提供する予定だ。

徳島、阿南、加茂谷ならではの食材が食べられるLoupへは、特別な日にオシャレしても行くもよし、普段着で気軽に行くもよし。いつでも家族経営の和やかな雰囲気で迎えてくれることだろう。