美味しさにアートをトッピング
映えるお好み焼きはおまかせ
なんだかおとぎ話に出てくるような名前はすべてメニュー名。お好み焼きの特徴をファンタジーに結びつけるネーミングセンスもさることながら、仕上げにオーナーが描くマヨネーズアートはプロアーティストの域である。
デザイン系学校出身のオーナーが鮮やかな手際でさっと描けば、ソースのキャンバスの上は一瞬でバラや桜、ひまわりなどの季節の花、はたまたデザイン画のようなオシャレなアートで彩られる。
運ばれてきたお好み焼きにお客さんのテンションが上がり、ひとしきり撮影会がはじまることも。「映えるお好み焼き」として話題を集め、女性のお客さんも多く来店する、それが「お好みはうす樹樹」である。
ふわっとやわらかい生地に、トロトロのソースと自家製マヨネーズの相性が抜群だ。もちろん食材にもこだわっている。卵は地元の有名タマゴ店のものを使用し、マヨネーズは自家製、具に使う野菜も県南で採れたものを厳選して使っている。
特に県外客に人気があるのが阿波(徳島)の名を持つ「AWAYAKI」。具には、筍・ちりめん・海苔・スダチなど徳島県名産のオールスターがタッグを組み、これまた阿南名産の「竹炭」を混ぜ込んだ生地を起用。見た目は真っ黒だが、味と満足度はMAXのお好み焼きだ。
「毎日お好み焼きばかりだと飽きちゃうでしょ。だから、ランチやほかのメニューはできるだけ味の違うバラエティに富んだものにしているの。だっていつも来てくれるお客さんに、いろんな料理を楽しんでもらいたいから。」
阿南の商店街で店を構えて30年以上、長きにわたり愛されているのは、オーナーのそんな心遣いがあるからなのだろう。
すぐ近くには阿南市民の憩いの場所「牛岐城趾公園」があり、春は満開の桜、冬にはLEDによるイルミネーションが楽しめる観光名所となっている。
また、インバウンドの外国人観光客向けに、オーナーの特技を活かした着物の着付け体験教室や、浴衣や着物のレンタルも行っているそう。
地元のサラリーマンにも、「映え」好きな女性にも、県外客やインバウンドの外国人にも愛されるお好み焼き店は、世界でもここだけかもしれない。